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レインウェアカタログ Vol.20

 

 

レインウェアの機能紹介

防水機能について

防水性とは、「水が生地の外側から浸み込んで内側へ浸入するのを防ぐ能力」のことを言います。

レインウェアは『生地』と『生地の継ぎ目』の防水機能を保たなければなりません。そのため、『生地』だけではなく『生地の継ぎ目』の防水機能も重要になります。

 

生地の種類によって生地の継ぎ目の加工方法が異なります。詳しくはこちら

 

 

耐水度について

耐水度(耐水圧)とは、「生地表面がどれだけの水圧に対して、裏面に水が漏れ出さず耐えるか」を数値として表しているものです。

数値の単位はKpa(キロパスカル)で表記するのですが、一般的に出回っているカタログの表記ではmmの表記が多く使われています。同一の単位で参考にしたい場合は、おおよそ1Kpa=101.97mmとなります。

 

雨の水圧は、気象庁でもはっきりしていないのですが、通産省(現在は経済産業省)の検査機関によれば、傘やレインウェアなどの耐水度は500~1,000mmあれば十分だと言われています。

しかし、体重75kgの人が濡れた場所へ座ると、およそ2,000mmの圧力がかかります。また、濡れた場所へひざまずいた場合には、およそ11,000mmの圧力がかかります。
レインウェアは着ている人の動作に伴って負荷がかかります。そのため、野外活動をする際には耐水度10,000mm以上の商品をお勧めします。

 

○こちらは商品の耐水圧を試験している動画です。

 

 

撥水機能について

レインウェアの機能で防水性に並び、重要な機能は撥水(はっ水)性です。

撥水性とは水をはじく性質のことを言います。

撥水性が強い生地に水滴がつくと付着した水分は水玉状(粒状)になり、水滴は生地の表面を転がるように落ちていきます。

撥水性が落ちてしまうと乾くまでの時間が遅くなり、生地の表面に汚れが付着しやすくなります。また、透湿素材の商品は生地の表面を水分が覆ってしまうことで、透湿機能が低下してしまいます。

商品の機能をより良くより永く保たせるために、日頃のお手入れをお願い致します。詳しくはこちら

 

○撥水機能を比較した動画です。

 

 

透湿機能について

透湿性とは「湿気を透過させる性質」のことを言います。

人の体は常に大量の水分を放出しています。そのため、全身を覆うレインウェアを長時間にわたって着用していると、体から発生する汗や水蒸気でびしょ濡れの状態になってしまうこともあります。 

そうした問題から透湿素材を使用したレインウェアが作られるようになりました。透湿素材とは雨や水をはじく「防水性」と、汗によるムレや熱を放出する「透湿性」の2つを備えた素材です。

 

雨粒と汗(水蒸気)では大きさに違いがあるため、雨粒の浸入を防ぎ水蒸気を外に逃がすことが可能になります。左の画像はエントラント生地の説明図です。

(大きさはおおよそ、霧雨で「100μφ」、普通の雨で「2,000μφ」、汗(水蒸気)は「0.0004μφ」です。)

 

○透湿機能を説明した動画です。

 

 

数値の単位はg/㎡/24hで表記されます。これは規定の温度及び湿度において、素材1㎡あたりに24時間で水蒸気がどれぐらいの質量(g)を透過したかを示した数値です。(g/㎡/hと1時間当たりを表記している場合もあります。)

 

透湿度の数値は、試験方法も合わせて明記されています。試験方法が違う場合は、数値だけでは性能を比較することが難しい場合もあります。

 

○大人の発汗量の目安(1時間当たり)

  • 安静にしている状態    約50g
  • 軽い運動をしている状態  約500g
  • ランニング等の激しい運動 約1000g

レインウェアの表面積はおおよそ2㎡弱になります。透湿度の数値の単位( g/㎡/24h)は1㎡あたりで24時間の値を表示しています。

体質・運動内容、季節・環境などによって異なる場合があります。上記の数値はあくまで目安の数値ですが、ご参考にしてください。

 

 

生地の強度について

生地の強度を測る単位はN(ニュートン)で表します。引っ張り強度・引き裂き強度・剥離強度など、様々な強度検査があります。

生地の強度を重視する場合は、糸入りフィルムやターポリンフィルムを使った商品をお勧めしています。

素材の性能比較はこちら

 

○引き裂き強度を比較した動画です。

 

 

 

防水素材と防水縫製

レインウェアは、雨の浸入を防ぐという目的のため、一般衣料とは異なる特殊な生地素材と縫製方法により作られます。それらは使用する機械設備の違いから、ウェルダー加工合羽と縫製雨衣に大別され、それぞれの特徴は次の通りとなります。

 

1)ウェルダー加工雨衣…ビニールを高周波ウェルダーによって溶着したもの。針穴が開かないので強力な防水性をもつ。

 

2)縫製雨衣…防水生地をミシンで縫製の後、裏から縫目にシームテープを貼り、目止め防水処理をしたもの。

 

3)縫製…防水生地をミシンで縫製したもの。シームテープによる防水加工はなし。

 

 

それぞれの特徴について 

  • ウェルダー加工の素材はビニールが基本で、通気性が全くない代わりに防水性が高く、比較的安価なものが多い。
  • 縫製加工の素材は一般的にナイロンやポリエステル生地の裏にゴムやビニール・ウレタン等のコーティングをして、各用途に合わせて使用する。
  • 透湿樹脂コーティングの商品は高価なものが多いが、湿気を外に排出するものでべたつき・ムレを防ぎ快適である。
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シームテープとは

シームテープとは縫製雨衣の縫い目の裏に貼る防水テープです。

このテープで生地の継ぎ目を接着することによって防水性を保っています。

右の画像は縫製雨衣の生地の裏面の画像です。
中央に縦に貼られているのがシームテープです。 

 

 

 

 

合羽の語源

合羽は主として江戸時代から多く使われはじめた雨具ですが、元をただせば15世紀の中頃、南蛮人によって渡来したものです。

日本字では「合羽」と書く他に、勝負の勝に羽根の「勝羽」或いは「哈叺」とも書いたもので、いずれもポルトガル語のcapa〈カッパ〉のあて字です。

カッパは英語のcape〈ケープ〉と同義語で、形が円形のため、「丸合羽」とも呼ばれたと云われています。

 

今日お話しする合羽は、合羽と云っても極く新しい形式のもので、いわば古来の蓑(みの)、それにこの合羽、最近のレインコートが一緒になってできたものと考えられます。

 

 

 合羽の歴史・スミクラの歴史

【合羽の歴史】

わが国では古来より、蓑(みの)を雨具、防寒具としていました。(右の画像が蓑です。)

15世紀の後半から16世紀に南蛮貿易を通じ、服飾文化も輸入され、蓑に代わって合羽がも用いられるようになりました。

南蛮屏風にはキリシタン宣教師の緋ラシャ(濃く明るい朱色の紡毛織物)の長合羽姿が多く見られます。この南蛮風でラシャ仕立てで広げると円形のものを「丸合羽」といい、宣教師が 用いたことから「坊主合羽」とも呼ばれました。織田信長をはじめとする武将の舶来趣味から流行し、江戸時代にはわが国の衣生活に合わせて、いくつかの種類を生み出しました。

ラシャは高価であったため、代わって桐油(アブラギリの種子を圧搾して得られる乾燥油)引きの「紙合羽」が考案されました。

「袖合羽(半合羽)」と称し、袷にして、中入れに渋紙や桐油紙を入れて用いたきもの仕立てになったのも、この頃です。

これを単に防寒着として用いたものが、「座敷合羽」。鷹匠の用いた角衿の合羽を特に、「鷹匠合羽」と呼び、のちに和服用外衣である被布や道行コートに発展しました。

幕末、明治初頭に丸合羽はマントとなり、日本人の服装が洋風化するに及び、レインコートに転じていきました。材質も絹、木綿、化繊さらにビニール製品とその時代によって変化し、現代では透湿性防水加工の新しい素材が生み出されたのです。

 

【スミクラの歴史】

かつて岡山は備前・備中・美作の国から成っていました。戦国時代、備前は荏胡麻(エゴマ)の産地、美作は和紙の産地であったところから、手漉きの和紙に荏胡麻からとれる荏油をぬり、冬場暖かい瀬戸内海の天候を利用して天日で乾燥させ合羽を作っていました。そのため、岡山地方は中国・四国一帯を販路とする備前合羽の産地として栄えました。

万葉集にも詠まれ、古代から賑わった備前牛窓港が韓国との貿易窓口であったため、合羽は、ここを経てポルトガルから伝来したものではないかと伝えられています。

 

スミクラはレインウェアのトップメーカーとして、伝統に培われた技術と柔軟な発想で、常に時代から求められるより良い製品をお届けしています。

明治41年、備前合羽の産地として栄えた備前牛窓の地で合羽の製造に着手、以来100有余年にわたってこの道一筋に歩み続けています。
近年では、カッパ=レインウェアの製作技術のノウハウを活かして、アウトドアウェア、防寒衣、作業衣などにまで業務を拡大。

海外にも協力工場を有し、力強い前進を続けております。

 

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